7.まなび、きわめる

大学での研究といっても様々な種類の研究がある。研究者、というとなんとなく思い浮かぶイメージがあるだろうが、時代の流れ的に社会における研究の位置付けが変わりつつあるように感じる。特に、基礎研究よりも社会を変えるという位置付けの研究が盛んになりつつある。

もちろん、どういった研究がいいとか悪いとかいう話ではない。宇宙や生命の誕生に迫る研究は、主に何がどうなっているのかが知りたいという知的好奇心を満たすためのもので、物事を解明するということが評価される。その発見が、案外病気の治療に役立ったりすることもあるだろうが、別にそれが目的となっているわけではないし、人類が全てを解明することはおそらく不可能と言っていいぐらいの時間がかかるだろう。そういう研究もあれば、癌やアルツハイマーの治療法の研究もあり、それはおそらく何十年というタイムスパンで確立されるものだろう。また、MITのメディアラボであるような、数ヶ月単位のプロジェクトで進めて行く研究もあり、そこでの研究はいわゆる一般人からは遠い最先端技術というよりは、社会にインパクトを与える概念の提示という種類の研究が多い。また、大学を通じて研究した内容から起業する人も増えて来ている。

ただ、研究者は、多くがこだわりが強く、特にメディアラボの研究は技術的にもっとちゃんとした方がいいんじゃないかという人もいるし、逆にその研究は遅すぎると、批判する人もいる。しかし、メディアラボでの研究が社会に与えている影響は無視できないし、基礎研究が学問の発展の基礎を支えていることは否定できない。目的のベクトルが違う研究を批判しあってもしょうがない。

社会における研究の立ち位置が変わっているいま、研究する上で、自分のしたい研究、する研究はどのような位置にあるのかを把握することが大事ではないか。また、大学が新しい研究施設を作る時も、ただ流行っているから人工知能の研究所を作るとかではなく、自分の大学は世の中をどのように変えたいのかを考えてから施設をつくると、大学の社会的役割が一層いいものになるのかなの思ったりもする。